行政書士 林恵岐
持ち家で民泊を始める際の注意点
皆様、こんにちは。
民泊専門行政書士の林です。
民泊申請は本当に奥深く毎回色々な事案に悩まされます。
お客様と打ち合わせをしていて建物の登記簿を拝見させていただいた時に、土地建物に保証会社等の抵当権が入っていることがあります。つまり住宅ローンを組まれている場合ですよね。抵当権が入っていること自体が民泊の申請について障害とはならないですが、銀行にバレると厄介なことになります。
そもそも住宅ローンは、金融機関が生活の根幹として使用する住居に対してお金を貸すことです。最低限の衣食住を賄えるよう国の政策的配慮もあって、住宅のローン金利は他目的でお金を借りるよりかなり低く設定されているのです。
つまり住宅ローンで民泊を始めたら、本来の目的外で使用していることになり銀行は黙っていないでしょう。金銭消費貸借契約は解除となり貸したお金の残金を一括返済するように迫るでしょう。銀行にバレなければいいとかそういう問題ではなく、万が一のリスクを考えて検討すべきでしょう。私はお客様に非常にリスクが高い旨を説明して、最終的な判断をしていただくようしています。ほぼ全てのお客様は白紙に戻されます。
最近は大手金融機関が民泊向けの住宅ローンを始めていますが、内容は「床面積の過半数を住居として使用する」などの制限があります。大阪市は特区民泊ばかりですが、特区民泊は家主滞在型は認められませんのでこのようなローンを組むことは出来ません。
どうしても住宅ローンを組んで民泊をやりたければ、家主滞在を前提として住宅新法の届出で運営するか、旅館業の許可を取るしかないでしょう。それでも住居部分が床面積の半分以上を占めていないと無理かなと思います。少なくとも住宅ローン控除は受けられません。
このように、ご自身の持ち家で民泊を始める場合にはまず抵当権が消えてから始められた方が良いかなと私は考えます。