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執筆者の写真行政書士 林恵岐

2019年建築基準法の一部改正


我々民泊申請を業とする業界人にとって2019年は注目の年でもあります。

その内容は、建築基準法を一部緩和する改正がまもなく施行されるからです。例えば、よくある木造一戸建て住宅を民泊に利用するため、旅館業の許可を取得するには用途変更をして建物を適合させる必要がありました。但し、旅館業の利用に供する部分の床面積が100㎡未満の場合は用途変更は不要でした。


この用途変更は建築確認申請が必要で、コスト面から多額の費用が必要になるので断念されるホストの方も多かったと思います。また、以前はよく見られた完了検査を受けてない物件については、原則的に建築確認申請が出来ないので、簡易宿所など用途変更したくても出来なかった経緯があります。


この100㎡未満の制限が、まもなく3階建て200㎡未満まで緩和されて建築確認申請不要となります。3階建て住宅を民泊に転用する場合、耐火建築物でないと3階部分の使用は認められていませんでした。現在では、木造一戸建ての耐火建築物はほぼ皆無なので、建物全てを簡易宿所等に転用出来ない問題がありました。今回の建築基準法の改正に伴い、在館者が迅速に避難できる措置を講ずることで耐火建築物にしなくても用途変更が可能になります。これは大きい改正です。


例えば準耐火建築物の複合ビルも、今まで民泊が出来なかった3階部分で民泊が可能になります。しかし、消防設備費用が3階部分についてはコスト高になる可能性があります。


それでも今まで使い勝手の悪かった3階建て物件が、この改正で一気に注目されるのではないでしょうか。昔の基準が緩かった時代に沢山建築された木造3階建ての物件が、床面積制限が200㎡まで緩和されたことで旅館業許可を取りやすくなると思います。何せ20年程前までは完了検査を受けてない確認済証のない建物はゴロゴロありましたから。


建築確認不要といっても、旅館業として許可を取る以上は建物をホテル・旅館として適合させる必要はあります。そのため、ある程度の改修費用は必要になるでしょう。それでも建築確認申請をする場合に比べて、ホストの金銭的負担は減ると思われます。また、今まで確認済証が無くて用途変更が出来なかった、又は3階部分が耐火構造等になっていないため民泊を断念していたものが、今回の改正で可能になる意義は大きいと思います。


いずれにしても、空き家の有効活用対策として各種法律が緩和されるのは、民泊オーナーにとっても歓迎すべき流れなのでしょう。


【結論】


1.確認済証が無いので用途変更出来ない → 3階200㎡まで建築確認不要に


2.耐火構造等でなく3階部分が使えない → 改正で耐火構造等でなくても使える


3.3階以上を民泊に使う場合は消防設備費用がより掛かる可能性がある。


4.建築確認不要でも建物はホテル旅館の用途に適合する必要がある。




 

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